フクの非日常

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魔王

伊坂幸太郎は2008年の本屋大賞で注目を浴びた作家であるが、
どうも伊坂作品のどこが良いのか自分には説明することができない。
「ゴールデンスランバー」「死神の精度」と2冊読んできたが。

これはきっと、たまたま相性の悪い2冊を読んだのだろう。
いや、それか『本屋大賞』という肩書きに多大な期待をしすぎたためかもしれない。
もしかしたら次の一冊はすごくハマる作品に出会えるかもしれない。。
そう思って、井坂探しの旅はまだ続くのである。

今回の「魔王」を読むにあたり、一つ決め事をした。

 『井坂作品には期待しない』

これまでの先入観を取っ払って、作品そのままを評価すること。
そうすれば本当に井坂作品の良し悪しが分かるはずだ。
「魔王」には「何か特別な力を持った存在」が例に漏れず登場しなさる。
「死神」の次は「魔王」。。。
今回は主人公が地獄からやってきた魔王で、人間社会を恐怖に陥れる
という話ではなさそうだ。
ゲーテ作詞、シューベルト作曲の「魔王」、が一節だけ出てくる。
(早朝に再放送をやっている「ハクショ~ン」の方ではない)

話を井坂作品に戻すと、魔王でも現代風の風景描写や
颯爽と登場する登場人物は美男美女が多く、明るくてよい。
そして話の前半にはいつものように伏線『の様な』エピソードがちらほら。
あー、今回もこのへんが伏線になるのかなーと待ち構えていたら。。。

あれ、終わっちゃった。
なんと、伏線の集束も落ちも、何もなく話が終わってしまった。
んん~?それはないんじゃないの?
登場人物を何人も出して、中には特別な『力』を持った人もいて
いろんなことを喋らせるわけだが、「これを伝えたいんだ!」ってのが無い。
何というか、言いっぱなし、書きっぱなし。
最後は読者の想像にお任せするとか、そういったのは人の心情とか、
語り手と読み手が共有できる次元で進められるべきであって、
薄くて軽い人物描写の上に、超能力っぽい概念まで持ち出されると、
仮説が多すぎて何が言いたいのかさっぱりわからない。
この場合、結論は責任を持って示すべきだと私は考える。
井坂作品に不信感を持っていたのは、そういうことだったようだ。

この作品において唯一の救いなのは、続きがあるということ。
「モダンタイムス」で続きが語られているそうなのだが、
果たしてどうだか。続きは読んでやらないこともない。
とか言って、実は井坂作品が好きなのだろうと声が聞こえてきそうだが。

魔王 (講談社文庫)魔王 (講談社文庫)
(2008/09/12)
伊坂 幸太郎

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