フクの非日常

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

コンピュータの熱い罠

コンピュータを題材にしたミステリ作品は珍しい。
「すべてがFになる」の森博嗣以外ではなかなか名前が挙がらない。
(東野圭吾の「白夜行」では多少コンピュータの話はあったか)

この作品、純粋なミステリとして見るとありふれた評価になるのだが、
コンピュータという切り口を加えるとなかなか面白さがある。
主人公の女の子は結婚相談所のデータを管理するオペレータ。
ホストコンピュータで集中管理するシステムを扱っている。
ダウンサイジングが進んだが、このシステムの形態は今でもあるに違いない。
が、外部からネットワークに接続するのはモデムではなく、音響カプラなのだ。
外部端末にデータを取り出してフロッピーディスクに保存するところも時代を感じる。
もはや、現在はフロッピーは容量的に時代遅れではあるが、
情報セキュリティの観点から外部メディアへの書き出しを禁止しているからね。
当時はこれが普通だったということを明確に書き記してある、その時代の証言である。

ストーリーの中でハッキングの疑惑が持ち上がるのだが、
「オペレータが権限を利用して他人のデータを盗み見るのは免職に等しい行為」
と切って捨てている場面がある。
当時はセキュリティのレベルが今に比べると格段に低かったのだが
この発言は注目すべきである。
コンピュータシステムの開発、運用部門では、情報を扱う意識は高かったといえる。
この点をはっきり書き記している作者の情報セキュリティへの倫理観だったのかもしれない。

この20年間でコンピュータを取り巻く環境は少しづつだが大きな変化を遂げた。
インターネット以前のコンピュータ環境が懐かしい人には発見があること間違いなし。

コンピュータの熱い罠 (講談社文庫)コンピュータの熱い罠 (講談社文庫)
(2001/03)
岡嶋 二人

商品詳細を見る


コメント


管理者にだけ表示を許可する
 

 

トラックバック

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。