フクの非日常

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

幻の光

宮本輝を読んだ。
ずいぶん久しぶり、十年前に読んだのが最後だったろうか。
今では当時の印象はなく、ほとんど覚えていないかな。

宮本輝は、はっきり言って怖い。
人間が普段考えないでいることを深く、ふかーく考えて文にしている。
昔あんなことがあったけど、その時なんでそう考えたのか。
あの人とは今は会えないけれど、あのとき何を考えていたのだろうか。
昔見た風景が忘れられず何度も思い出してしまう。
今自分はこうしているけれど、何でこうなってしまったんやろう。

その問いかけは、ほぼ答えがないところが、怖ろしさの理由だと思う。
考えても考えても答えは無いのに、延々と繰り返して、また考えてしまう。
物語の主は答えを見つけられたのだろうか。そこもはっきりとはしないな。
作者はこんな考えを込めたのだろうか。闇の中を手探りで読んでいくうちに、
自分も思考の迷路に引っ張りこまれてしまう。
このまま抜け出せなくなってしまわないかと怖ろしくなってしまう。
終わりになると、ふっと急に現実に戻ってきて、ああ帰ってこれたんだと
ほっとするような。そんな怖ろしさが宮本の作品にはある。

文学はね、少々分からないくらいが有難くって良いんじゃないかな。
何もかも説明してしまうほうが読者の理解は高いから評価は良いかもしれない。
でも、そんな文は口当たりは良いが歯ごたえがない。
読み手に技量を求めるような、そんな作品こそ文学だと思うのだな。

幻の光 (新潮文庫)幻の光 (新潮文庫)
(1983/01)
宮本 輝

商品詳細を見る

コメント


管理者にだけ表示を許可する
 

文学、大いに結構です。
ただ残念なことに、書き手も食わねばならんのです・・・

麻呂男 | URL | 2008-08-27 (Wed) 01:40 [編集 ]


まろーさん、こんんちは。

普段からお粥だと、顎が弱るのかなーと。
玄米ばかりだと、銀シャリが恋しくなるし、
緩急ですよね。

フク | URL | 2008-08-28 (Thu) 01:58 [編集 ]


 

トラックバック

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。